公務員を辞めたいと思ったら最初に読む話|元公務員が後悔しない判断軸を解説

都会を見つめ進路を考える若手ビジネスパーソンの女性

「公務員を辞めたい」——そう検索したあなたは、きっと毎日の業務や人間関係、将来のキャリアに、漠然とした息苦しさを感じているのではないでしょうか。

私自身、市役所で残業が月100時間を超えていた時期に、同じ場所で立ち止まっていました。安定を手放す不安と「このままでいいのか」の間で揺れたまま、しばらく動けなかった側です。最終的に気持ちを整理して6年9ヶ月で辞め、いまは後悔していません。

結論から言うと、「辞めたい」という気持ちそのものは、否定しなくていい感情です。大切なのは、その気持ちの正体を見極め、衝動ではなく納得で決断すること

辞めた側と、辞めてきた人を面接で迎える側。その両方を経験したうえで、後悔しないための判断軸と、辞めると決める前にやっておきたい準備を整理します。

目次

「公務員を辞めたい」人は、いま確実に増えている

まず知っておいてほしいのは、あなたが特別に弱いわけでも、わがままなわけでもないということです。

近年、若手公務員の離職は増加傾向にあります。総務省の「地方公務員の退職状況等調査」でも、20代・30代の普通退職(定年などを除く自己都合の退職)はこの10年で大きく増えており、入庁から数年で辞めるケースも珍しくなくなりました。

背景には、年功序列で若いうちの裁量や給料が抑えられがちなこと、業務範囲が硬直的でキャリアの見通しが立てにくいことがあります。

そして民間との待遇差や働き方の違いが、以前より「見える化」されたことも大きいでしょう。SNSや転職サイトで、同世代の選択が当たり前に目に入る時代になったのです。

ちち

「辞めたい」と思うこと自体は、あなたが真剣に自分のキャリアと向き合っている証拠。まずはその気持ちを責めないでください。

辞めたい気持ちの「正体」を見極める3つの問い

ここがこの記事でいちばん伝えたいところです。「辞めたい」には、辞めれば解決するものと、辞めても解決しないものが混ざっています

それを切り分けないまま勢いで退職すると、転職先で同じ壁にぶつかってしまいます。次の3つの問いを、紙に書き出して自問してみてください。

  1. 「何が」嫌なのか?……仕事の内容そのものか、職場の人間関係か、待遇や評価制度か。対象を具体的に特定する。
  2. それは「公務員だから」起きているのか?……民間に移っても起こりうる問題(人間関係・激務)なら、転職は万能薬にならない。
  3. 3年後、辞めなかった自分を想像できるか?……想像してホッとするなら環境改善で足りる。絶望するなら、それは本気のサインかもしれない。

採用の現場で多くの応募者と話してきて感じるのは、「逃げの転職」と「攻めの転職」は、面接ですぐ伝わってしまうということです。

前者は「今がつらいから」が動機の中心で、後者は「次でこうなりたいから」が中心にある。同じ退職でも、この問いを通った人は、語る言葉の解像度がまったく違います。

衝動で辞める人と、納得して辞める人の違い

同じ「公務員を辞める」でも、その後の満足度を分けるのは決断の質です。両者の違いを整理すると、次のようになります。

動機の置き場所

衝動型は「とにかく今を抜け出したい」が中心。納得型は「次で実現したいこと」が中心にあります。

「辞める」の位置づけ

衝動型は辞めることがゴールになりがち。納得型にとって辞めるのは手段で、目的は別にあります。

自分の値札

衝動型は自分の市場価値を知らないまま出ていく。納得型は経歴を棚卸しし、強みを言語化してから動きます。

動き出す時期

衝動型は退職してから動き出す。納得型は在職中から情報収集と準備を進めています。

納得型に近づくほど、転職後の後悔は減ります。逆に言えば、今すぐ辞表を出す必要はありません。納得して辞めるための準備を、在職しながら進めればいいのです。

辞めると決める前にやっておきたい3つの準備

1. 経歴の棚卸しで「自分の軸」を言語化する

まずは、これまでの仕事で何を経験し、何が得意で、何を大切にしたいのかを書き出します。

公務員の業務は「民間で通用しない」と思われがちですが、調整力・正確性・制度理解など、実は評価される強みが眠っています。

その強みが民間のどの仕事と噛み合うかは、「経歴の棚卸しで向き不向きを見極める」の手順で洗い出せます。

2. 自分の市場価値を客観的に知る

「辞めたい」が先行すると、自分を過小評価しがちです。ひとりで考えるとバイアスがかかるため、社会から見た自分の価値を客観的に測る視点が欠かせません。

測り方は「市場価値は「エピソードの粒度」で決まる」に3ステップで書きました。辞める前の段階でやっておくほど、判断がぶれません。

3. 在職中に情報収集を始める

収入が途切れない在職中こそ、もっとも落ち着いて動ける時期です。

公務員からの転職に慣れたエージェントを使えば、求人の現実や自分の通用度を、リスクなく確かめられます。

どのあたりに実際に通っているのかは、「公務員から転職しやすい業界とは」で採用された人の共通点から逆算できます。

それでも「辞める」と決めたら|後悔しない進め方

3つの問いを通り、準備も整え、それでも「辞める」と決めたなら——その決断は、もう衝動ではありません。あとは円満に、計画的に進めるだけです。

公務員の退職は手続きや引き継ぎに独特の作法があり、退職を切り出すタイミング次第で、その後の印象が大きく変わります

いつ、誰に、どの順番で伝えるかは「退職届はいつまでに出すか」にまとめました。

そして、辞めた先にある景色も先に見ておいてください。

公務員から大手ITへ転職して年収2倍になった話」に、実際にたどった順番と、そのとき何を手放したかを書いています。

まとめ:「辞めたい」を、納得の決断に変える

「公務員を辞めたい」という気持ちは、あなたが自分の人生に真剣だからこそ生まれるものです。大切なのは、その感情に振り回されることでも、無理に抑え込むことでもなく、正体を見極めて納得のいく決断に変えることです。

辞める前に押さえること
  • 若手公務員の離職は増加傾向。「辞めたい」と思うあなたは特別ではない
  • 「何が嫌か」「公務員だからか」「3年後を想像できるか」の3つの問いで気持ちの正体を見極める
  • 衝動ではなく納得で辞める人ほど、転職後の後悔が少ない
  • 辞める前に経歴の棚卸し・市場価値の把握・在職中の情報収集を進める

焦って答えを出す必要はありません。まずは紙とペンを用意して、3つの問いに向き合うところから始めてください。

在職年数が浅くて迷っているなら「若手公務員が3年で辞めたくなる理由」、民間の忙しさが読めないなら「公務員と民間、結局どっちが「きつい」のか」が、それぞれ判断の材料になります。

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この記事を書いた人

サビ残100h/月の公務員から30歳で大手IT企業に転職し、年収2倍(360→750万)・残業10h未満を達成。現在はベンチャー企業の執行役員として採用を管掌し、累計1,000名以上の面接と5,000枚以上の履歴書・職務経歴書チェックを通じて200名以上の採用に関与(新卒〜執行役員クラス)。RPOしていた採用の内製化、ATS導入による一元管理、多拠点採用まで自ら設計・運用しています。"採用する側"の本音をもとに、キャリアに悩む方々の道標となる情報を発信しています。

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