「残業ほぼなし」と書いてあったのに、入ってみたら毎日終電——転職で一番多い後悔のひとつです。
はっきり言います。求人票の「残業少なめ」は、そのまま信じてはいけません。採用する側にいると、その言葉がどう作られているか、裏側がよく見えます。
私は民間企業で採用責任者として、たくさんの求人を出し、面接をしてきました。その立場から、本当に残業が少ない会社を見極める方法を、求人票の罠とあわせて正直にお伝えします。
なぜ求人票の「残業少なめ」は当てにならないのか
採用側にも事情があります。応募を集めたいので、残業に関する表現はどうしても良く見せがち。嘘ではないけれど、実態とズレることがよくあります。主な理由はこの4つです。
- 「平均」でぼかす……全社平均が少なくても、配属部署だけ多いことは珍しくない。
- みなし残業(固定残業)が隠れている……「残業代込み」の給与で、一定時間の残業が前提になっている。
- 繁忙期を含めていない……普段は少なくても、特定の時期だけ激務というケース。
- サービス残業が数字に出ない……記録上は少なくても、実態は別ということもある。
つまり、求人票の言葉は「会社が見せたい姿」であって、実態とは限らない。だからこそ、言葉の裏を読み、自分で確かめる目が必要です。
ちち採用側として、求人票の残業の書き方は本当に気をつかいます。盛るつもりはなくても「平均で書く」「繁忙期は触れない」だけで、印象はずいぶん変わる。だから応募者には、遠慮なく具体的に質問してほしいんです。
【求人票の罠】この表現は、裏を読もう
求人票によくある表現と、その裏に隠れている可能性を並べました。鵜呑みにせず、確認すべきサインとして見てください。
| 求人票の表現 | 裏に隠れている可能性 |
|---|---|
| 「残業月平均20時間」 | 平均なので、部署や時期で大きく上下する |
| 「みなし残業40時間分を含む」 | 40時間までは残業前提。超えないと逆に損 |
| 「メリハリのある働き方」 | 繁忙期はしっかり残業、の言い換えのことも |
| 「裁量労働制」 | 時間管理がゆるい=青天井になり得る |
| 「残業ほぼなし」だけで具体数字なし | 数字を出せない事情があるかも |
特に注意したいのが「みなし残業(固定残業代)」です。これは違法ではなく一般的な制度ですが、何時間分が含まれているかを必ず確認しましょう。45時間分なら、それが想定される働き方ということです。
本当に残業が少ない会社を見極める5つのチェックポイント
言葉に頼らず、事実で見極めましょう。次の5つを確認すれば、実態にぐっと近づけます。
①みなし残業の「時間数」を確認する
固定残業代が何時間分か。20時間分なら比較的健全、45時間分なら残業前提と読めます。記載がなければ、面接で必ず聞きましょう。ここを濁す会社は要注意です。
②「配属予定部署」の残業実態を聞く
全社平均ではなく、自分が入る部署の実態が大事。「配属予定の部署では、月どのくらいが多いですか?」と具体的に聞くのが、最も確実です。
③有給取得率・離職率を確認する
残業の数字は盛れても、有給取得率と離職率はごまかしにくい指標です。有給取得率が高く離職率が低ければ、働きやすさの裏付けになります。求人票や口コミ、面接で確認しましょう。
④口コミサイトで「複数の声」を見る
社員口コミは参考になりますが、極端な意見もあるので複数を見て傾向をつかむこと。「残業」「働き方」で検索し、同じ指摘が繰り返されていれば信ぴょう性が高いです。
⑤面接・カジュアル面談で現場に直接聞く
いちばん確実なのは、現場社員に直接聞くこと。カジュアル面談があれば「繁忙期はどんな感じですか?」と率直に。正直に答えてくれる会社は、それだけで信頼できます。
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【Before→After】残業を上手に確認する聞き方
残業の確認は、聞き方ひとつで印象が変わります。「楽したい人」と思われず、しっかり実態を引き出す聞き方に変えましょう。
| 印象が悪い聞き方(Before) | 好印象で実態が引き出せる(After) |
|---|---|
| 「残業は少ないですか?」 | 「配属予定の部署では、月の残業はどのくらいが多いですか?」 |
| 「定時で帰れますか?」 | 「繁忙期と通常期で、働き方はどう変わりますか?」 |
| 「みなし残業ありますか?」(不安げに) | 「固定残業代は何時間分で設定されていますか?」 |
| 条件面だけを真っ先に聞く | 仕事内容を確認したうえで、最後に働き方も伺う |
コツは「楽をしたい」ではなく「長く成果を出すために確認したい」という姿勢で聞くこと。採用側も、現実的に働き方を見据えている人には、むしろ好印象を持ちます。



「残業はどのくらいですか」と素直に聞かれて、嫌な顔をする採用担当はまずいません。むしろ濁す会社のほうが危ない。具体的に、堂々と聞いて大丈夫です。
よくある不安に、採用責任者として答えます
Q. 面接で残業について聞くと、評価が下がりませんか?
聞き方が適切なら、まず下がりません。仕事内容への関心を示したうえで、働き方も確認する流れなら自然です。むしろ「現実的に長く働くことを考えている」と前向きに受け取られます。条件面”だけ”を真っ先に聞くのは避けましょう。
Q. みなし残業(固定残業代)は、避けたほうがいいですか?
制度自体は一般的で、悪いものではありません。大事なのは「何時間分か」と「超過分は別途支給されるか」。20時間分で超過分が出るなら健全。45時間分で超過も曖昧なら、その時間働く前提と考えましょう。
Q. 残業が少ない会社は、成長できないのでは?
そんなことはありません。残業の多さと成長は比例しません。むしろ時間内に成果を出す会社のほうが、生産性も評価制度も整っていることが多い。「長時間=成長」は、もう古い考え方です。
Q. 入社後に「話と違う」と感じたら?
まずは上司や人事に状況を相談を。部署異動や調整で解消することもあります。ただ、事前の見極めが甘いとこのリスクは上がるので、選考段階での確認が何より大事です。ミスマッチを防ぐ視点は、下記もあわせてどうぞ。
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まとめ:求人票は「裏を読み」、事実で見極める
残業の少ない会社は確かにあります。ただし、求人票の言葉を鵜呑みにせず、自分で事実を確かめることが何より大切です。
- 求人票の「残業少なめ」は平均・みなし・繁忙期で実態とズレる
- みなし残業は「何時間分か」「超過分は別途出るか」を必ず確認
- 見極めはみなし時間/配属部署の実態/有給取得率・離職率/口コミ/現場に直接
- 聞き方は「楽したい」ではなく「長く成果を出すため」の姿勢で
- 残業を堂々と聞いて濁す会社こそ危険信号
働き方そのものをどう考えるか、男性のワークライフバランスの実情も、あわせて読んでおくと判断がぶれません。
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